|
精神分析医のジョバンニ(ナンニ・モレッティ)は息子のアンドレア(ジュゼッペ・サンフィリーチェ)を突然の事故で失う。残された彼は、妻、娘とともに悲しみと後悔にさいなまれる。そんなある日、息子に、夏休みのキャンプで知り合ったガールフレンドがいたことがわかる。家族の知らないところで恋をしていたのだ。訪ねてきたガールフレンドと悲しみを分かち合ううちに、悲劇に耐えかねてバラバラになりかけていた家族に変化が起こり始める・・・。
2001カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた名作。監督は『親愛なる日記』のナンニ・モレッティ。これまでの社会批判が見え隠れしていた諸作品とは違い、ストレートに家族のドラマを描いている。事件や事故で子供を亡くした家族の喪失感・・・。それは、当事者にしかわからない。しかも、メディアにおいてはあまり顧みられることがない。
この映画は、人の命が軽んじられる傾向にある現代社会にさり気なく警鐘を鳴らしているようでもある。平静を装おうとすればするほど浮かび上がってくる両親の心の痛み。その痛みが観客の心に鋭く突き刺さる。残された家族のひとりひとりが悲しみを抱きつつも、生きる営みに対する希望を見出していく幕切れが爽やかだ。
|