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僕達が大人になれない12の理由
17歳という時代を、最も輝きに満ちた年だと言う人がいる。でもこの時代は、同時に最も複雑で、最も苦悩に満ちた時代でもあるのだ。子供じゃない、でも大人にもなりきれない。周りの大人にわかってもらえず、揺れる季節……。とくに、抱え込むものの大きい男の子にとっては、社会の中での自分の位置を見失いかねない、微妙な時期。
イギリス南部に住む二人の少年、ジェイクとスティーヴンは、まさにこの季節のただ中にいた。そして皮肉な運命のいたずらが、ただでさえ複雑なこの季節に、想像もできないほどの苦悩を与える。悲劇は、いきなりやってきた。クラスの仲間と最高の思い出を作っていたスキー旅行の最中、雪崩が発生。生存者は、ジェイクとスティーヴンだけだったのだ。彼らは一瞬にして、すべてを失ってしまう。かけがえのない仲間たちに、想いを伝えたばかりのガールフレンド。心に抱いていた未来への希望、生きる意味さえも……。
『ニュー・イヤーズ・デイ 約束の日』は、死と直面せざるをえなかった二人の少年の、心の軌跡を繊細につづった感動作だ。少年たちは自分たちの命の期限を1年と定め、“BOOK
OF LIFE”(「命の書」)に記した「12の約束」を遂行することを誓い合う。やがて彼らは約束=友人たちの果たせなかった夢を通して、本当に大切なものを見つけてゆく。家族の愛、自然の美しさ、ちょっとした名誉、思いやりの心、命の重み、そして「未来」へと続く「約束」を。
絶えず押し寄せてくる悲しみと闘い、友情と孤独を噛みしめながら、人生の価値を見いだしていく少年たちの世界。不安と混乱の中でけなげに運命と立ち向かい、未来を選び取っていく彼らの姿は、かつて17歳だったすべての人の心に訴えかけてくる。あのころ感じたもどかしさや切なさ、「希望」の持つ力。ナイフのように鋭敏で、ガラスのように繊細だった時代がリアルに甦り、心を熱く満たしてくれるはずだ。
この映画の魅力は、ひたむきで純真な少年たちを演じた俳優抜きには語れないだろう。21世紀のイギリス映画界を背負う若手として、ブレイク必至の二人である。まず、人一倍やさしいジェイクを演じるのは、アンドリュー・リー・ポッツ。何本かのテレビや舞台に出演し、本作で映画デビューを果たした新星だ。その真っ直ぐな瞳、小動物のようなかわいらしさで、女性たちの母性本能をくすぐること間違いなし。彼の演技を見て感情移入しない人はいない、と思わせるほどの逸材なのだ。一方、クールなニヒリストの仮面の下に傷つきやすさを秘めたスティーヴン役は、1500人の中からオーディションで選ばれたボビー・バリー。学生演劇の経験はあるものの、本格的な演技はこれが初めて。アイス9というバンドを組んでおり、本作のサントラではミュージシャンとしても参加。現在はロンドン大学に在籍し、学業に専念しているという。彼のいかにも英国少年といった粋なファッションの着くずし方も、話題を呼びそうだ。
監督にあたったのは、イギリス育ちのインド人監督クリシュナーマ。数本のテレビ映画や短編を監督した後、『A Man of
No Importance』で長編デビュー。本作が長編第2作となる俊英だ。最近、若い世代のイギリス映画というと、『トレインスポッティング』に代表されるようなオフビートなものが注目を浴びているが、本作はひと味違う。音楽や映像の勢いに頼らず、脚本と演技の深さを生かし、静かな感動を呼び覚ます手腕が高く評価されているのだ。サントラではレナード・コーエンからニナ・シモン、ポール・ウェラーなど、ヴァラエティ豊かなサウンドを、効果的に使いこなしている。
脚本を書いたのは、『スター・ウォーズ:エピソード1』などに出演した(引き続き『エピソード2』にも出演の予定)俳優のラルフ・ブラウン。自らの経験を本に脚本を仕上げた彼は、本作にはスキー旅行を引率する教師の役で出演も果たした。また、カウンセラーのベロニカ役に『秘密と嘘』でオスカー候補となったマリアンヌ・ジャン・バプティスト、スティーヴンの母親役に『ベスト・フレンズ』のジャクリーン・ビセットと、脇役陣にも豪華な顔ぶれがそろっている。
スリ・クリシュナーマ監督より、映画をご覧になった皆さんへのお願い
この作品は最後の最後まで、ジェイクとスティーヴンの2人の運命がどうなるか分からない設定になっています。そして、その結末こそが作品の最も大切なテーマになっています。そこで、この映画をこれからご覧になる方に向けて、決してラストを語って頂きたくないのです。どうぞ私の趣旨をご理解下さり、その点のみを注意していただくことを願います。(2000年サンダンス映画祭によせて)
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