1950〜60年代。まだアメリカ海軍に厳しい人種差別の壁があったころ。様々な障害や苦境を乗り越えて、アフリカ系アメリカ人として初めて栄誉ある“マスター・ダイバー"の称号を勝ち取った男がいた。彼の名はカール・ブラシア。海軍の歴史を変えた彼の勇気に満ちた物語は、今もアメリカで伝説的に語り継がれている。
ケンタッキーの貧しい小作農の家に生まれたブラシアが、海軍のダイバー養成所での過酷な訓練に立ち向かい、鬼教官サンデーとの確執、ケガによる片脚切断という試練の末に夢を実現させるまで。その数奇な半生の物語が、ロバート・デ・ニーロとキューバ・グッディングJr.というアカデミー賞スターの共演で映画化された。
ブラシアとサンデー。海に、潜水に命を賭けた者だけが理解する苦しみと闘志。同じような境遇に育った者だからこそわかる家族への熱い思いとハングリー精神。互いの勇気と情熱への尊敬の念……。反目しあっていた二人の男はいつしか深い絆で結ばれ、差別と因習に染まった海軍の鉄壁を突き崩していく。
主人公ブラシアに扮するのは「ザ・エージェント」でアカデミー賞に輝いたキューバ・グッディングJr.。「今までに出演したどの作品よりも、この映画を誇りに思っている」と語る彼は、ブラシアのドラマチックな人生にナマの息吹きを注ぎ込む自然な演技で魅力的な主人公を作り出している。
一方、最初はブラシアを目の敵にする差別主義者だったものの、最後には持ち前の反骨精神で彼を支えることになる教官サンデーにはロバート・デ・ニーロ。人間的な深みを感じさせ、近年でも出色の演技を見せる。対立していたブラシアとサンデーがしだいに理解と共感で結ばれていく過程のリアリティは、この二人のアカデミー賞俳優の演技なくしてはあり得なかったろう。
デ・ニーロとグッディングJr.のパワフルで高揚感あふれる対決に華を添えるのは、「バガー・ヴァンスの伝説」「サイダーハウス・ルール」の売れっ子シャーリズ・セロンと舞台出身の新人アーンジャニュー・エリス。また、「シックス・デイ」のマイケル・ラパポート、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」のジョシュア・レナード、「ファイト・クラブ」のホルト・マッカラニーらイキのいい面々がダイバー養成所の訓練生を、ハル・ホルブルック、パワーズ・ブース、デビッド・キースといった渋い顔ぶれが海軍の上層部に扮して脇を固めている。
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