DVD映画ポータル
 
・・・ DVD映画ポータルはDVD・テレビゲーム・PS2・PSP・DSを扱うエンターテイメント専門ウェブマガジンです ・・・
トップ
DVD
海外ドラマ
アニメ
テレビゲーム
映画
リンク集
Google
   
草の乱
2004年9月4日公開
上映時間
2004/日本/
映画「草の乱」製作委員会
 
神山征二郎監督のコメント
悔いはなし
 「草の乱」の道のりは実に永かった。が、映画づくりをしてこれほどの幸福感にひたれたのは初めてである。
三月十一日、東京五反田の現像所「イマジカ」の第一試写室は製作関係者と緒形直人、林隆三氏など出演者、それに一刻も早く「草の乱」を観るぞ、という配給関係者や映画ジャーナリスト、ロケ隊が本拠を張った秩父郡吉田町の猪野町長ら町関係者で立錐の余地なく埋めつくされた。
 「1時間58分の映画になりました」と監督でありプロダクション代表でもある私が開演前の挨拶。職業柄挨拶なれしているのでお一人お一人の顔、その表情までが手にとるように見えている。映画の仕上りに対する期待がどの顔にもありありである。
音声なしの画面に「製作・映画『草の乱』製作委員会」と映写が始まった。
 1時間58分10秒でENDマーク。
 私は上映中立場も忘れて、三度、四度、涙腺をゆるめていた。だいたいが涙もろい。場内が明るくなる前にとハンカチで目尻をぬぐい、席を立って、なにかフラフラっとスクリーンの前に進み出た。
 「このあと、地下のサロンにて、粗宴を」と客席を見渡せば、誰ひとりとして立ち上がらず、終幕の時にも増しての拍手が湧き起こった。
 映画づくりで「これで満足」ということは絶対にないのだが、いや、この「草の乱」も「ああしておけば良かった。失敗している。進歩がない」など反省することが後を絶たずではあったが、なぜか
 「悔いなし」
と、私の心は思った。作品だから出来栄えは問われなければならない。描いた方向に間違いはなかったろうか、とも思う。
 「秩父事件を映画にしよう」
 と思い立った人々による、四億三千万円余の製作出資金。自主製作の歴史を変えたといっても過言ではないだろう。いつか映画化を現実のものとしたいと思つづけていたから、製作の期間中、私はこのご出資の大きな恩に感謝の気持ちをずっと抱き続けていた。
 2003年の秋から冬へ、三ヶ月のロケの間中、私の宿舎は上吉田の「元気村」のロッジの一棟があてがわれた。一人で住むには広すぎるほどの空間だった。窓の下を吉田川の瀬。撮影が終ると、私はいつもこの流れを見ていた。音楽を依頼したディープ・フォレストのアルバムを毎日、くりかえし聴いていた。どの曲も暗記するほどだ。
 眼下の、今は町のグランドになっているあたりに信州に進出しようとした坂本宗作、菊池貫平らが夜営をした。夜が明ければ、藤倉の集落をぬけ、矢久峠越えをして上州中里村、日航機事故、あの坂本九さん(私と同年)等が非業の最後をとげた御巣鷹山の上野村、十石峠から佐久へと彼等は進軍していったのだ――。そんなことを毎日思いつないでは、ただ「恩に報いるのみ」と、私は何か宗教的な気分の中で生きていたようである。
   

神山征二郎監督 プロフィール
1941年、岐阜県出身。
日大芸術学部映画学科中退。65年、新藤兼人監督の主宰する近代映画協会に参加、同氏や吉村公三郎、今井正らの助監督を経て、71年「鯉のいる村」で監督デビュー。76年『二つのハーモニカ』で日本映画監督協会新人奨励賞を受賞。独立後、83年『ふるさと』では文化庁優秀映画奨励賞など多数の賞を得る。87年『ハチ公物語』では山路ふみ子映画賞を受賞、同作品は年間興収ベストワンとなる。90年『白い手』では日刊スポーツ映画大賞監督賞、毎日映画コンクール優秀賞を受賞。以降、『遠き落日』(92)、『月光の夏』(93)、『ひめゆりの塔』(95)、『郡上一揆』(00)、『大河の一滴』(01)等、数々の大作・話題作を生み出し、日本映画界屈指の本格派監督として活躍する名匠である。その着実な実績により、第54回中日文化賞、岐阜市民栄誉賞、岐阜新聞大賞、他内外で多数の賞を受賞している。

映画「草の乱」製作委員会 TEL:048-822-7428
映画「草の乱」東京事務所 TEL:03-3505-1874
  
  

公開映画館 2004年9月4日(土)より、有楽町スバル座ほか全国ロードショー公開

オフィシャルWEBSITE
http://www.kusanoran.com/top.html
  
  
   
お問い合わせ  |  映画ポータルについて  |  広告掲載について | オフィシャルショップ マジックユーザー
DVD映画ポータルの文章・写真・画像・映像・音声等の著作権は「DVD映画ポータル」もしくは許諾を受けている著作権者に帰属します。
許可無く、複製・転載等の行為をお断り致します。