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JSA

企画から完成まで実に19ヶ月間をかけて製作されたスーパープロジェクト『JSA』。
ベストセラー作家パク・サンヨンの『DMZ』を原作に、1997年12月より監督を含む4名の脚本家により綿密な討議が交わされ推敲が重ねられた。98年5月に完成台本があがった後も、従来はタブーとされてきた38度線を巡るテーマ設定に議論が百出、2000年2月のクランクインまで完成を危ぶむ声さえあったという。
ところが映画の完成に合わせるかのように、2000年6月13日には、韓国・金大中大統領と北朝鮮・金正日総書記の二人が初めて握手を交わすという歴史的な南北首脳会談が実現。同時に署名された南北共同宣言により新世紀へ向けて新たな対話の動きが一挙に現実化することとなった。8月15日には1985年以来15年ぶりとなる南北間の大規模な離散家族再会が実施され、北朝鮮の離散家族100人がソウル市内で半世紀ぶりに肉親や親類と対面した。
再会の様子はテレビでも生中継され、南北の友好ムードが近年になく高まるなか『JSA』は遂に9月9日に封切られた。結果的に、北側を従来のような単純な敵ではなくより人間的に描くことで壮大なヒューマンドラマを作り上げた『JSA』は、社会情勢を味方にしながらメディアと観客双方から大きな支持を受けることになる。なお映画好きで知られる金正日総書記は『シュリ』での北朝鮮の描き方には苦言を呈していたが、公開後大きな話題となっていた『JSA』にも「是非観てみたい」と興味を示し、製作会社は試写用のフィルムをさっそく手配。「感想はまだ聞けていません」とのことだが、果たして…?

『JSA』は、はっきりと3部構成の形式を取っている。第1部は謎解きの提示、第2部は回想形式による男たちの交流、そして最後に全ての謎が解き明かされる第3部。パク・チャヌク監督は、「この映画は謎解きから始まり、温かい血を通って、悲壮なエンディングを迎える。このような方法で“分断”を解いていかねばならないのは、私の世代ですべき仕事かもしれない」と語る。映画の中にはそれぞれのパートの開始時に「AREA」「SECURITY」「JOINT」と、実際のタイトルとは逆の順番で章立てを意識する英語字幕が挿入されている。悲劇に終わる結末の章があえて「JOINT」とされているのは、興味深いところだ。
また時間軸の構成に関しては、事件が発生した10月28日の深夜を冒頭に、11月4日の事件発生1週間後、ソフィーが捜査を開始する下りが第1部。回想シーンとなる第2部では2月17日(事件発生8ヶ月前)まで時間が遡り、そこで地雷を踏んだスヒョクと北の兵2人は初めて出会い、事件の日まで交流を重ねていくことになる。
また第1部で語られる謎解きの提示では、複数の人物の一方的な証言をもとに幾つかの異なる解釈がそのまま映像化されているが、捜査が進む課程で徐々に、その映像が真実ではないことが明らかになる手法を取っている。こうした構成も、社会体制と分断の論理によって事件の真実がどのように利用され、理解されるのかを意識してのことである。
 
公開映画館 
オフィシャルWEBSITE
http://www.jsa-movie.com/
  
  
   
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