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1999年10月28日午前2時16分。
11発の銃声。2つの死体。
共同警備区域でなのが起こったのか。
韓国映画の持つ可能性を押し広げることに成功し、日本での大ヒットも記憶に新しい『シュリ』。その余韻も醒めやらぬまま、2000年夏、韓国映画界はあるスーパープロジェクトの噂で持ちきりとなっていた。「総製作費は『シュリ』を上回る4.5億円以上。半年かけて撮影所に板門店のオープンセットを作っていて、その費用だけで1億円。しかも内容は、板門店で起きた“事件”を真正面から取り扱ったものらしい…」ついにそのヴェールを脱いだ公開初日(2000.9.9)…各メディアはその圧倒的な完成度の高さと深みに満ちた内容に惜しみない賞賛を送り、劇場は老若男女、全ての層で埋め尽くされた。そして公開から約4ヶ月後、『シュリ』の持つ観客動員記録を塗り替え、歴代興行収入No.1という輝かしい金字塔を打ち立てる。
全てにおいて規格外の傑作、その名は『JSA』…『シュリ』以降、日本でもにわかに巻き起こった“韓国映画ブーム”にとどめを刺す究極の大本命作品が、ついにその全貌を明らかにする!
南北分断の象徴である38度線上の共同警備区域(JSA)で起こった射殺事件。生き残った南北の兵士たちは何故か互いに全く異なる陳述を繰り返した。両国家の合意のもと、中立国監督委員会は責任捜査官として韓国系スイス人である女性将校ソフィーを派遣。彼女は事件の当事者たちと面会を重ねながら徐々に事件の真相に迫っていく。そこには全く予想外の「真実」が隠されていた…
『JSA』…これは『シュリ』ではない。ともに“南北分断”という深いテーマを根底に置きながら、“アクション×ラブストーリー”であった『シュリ』に対して、『JSA』は極めて完成度の高い“サスペンス×ヒューマンドラマ”を入口として、観客をより深い感動の渦へじっくりと巻き込んでいく。「真実」を隠さなければならなかった男たちの、追い込まれた状況と切ない心情…“南北分断”という世界で唯一のヘヴィーな素材に真っ向から挑み、国境を越えた人間同士の「心の交歓」をエンタテインメントとして完璧に描き切った映画『JSA』、これぞ「アジア新世紀」を占う一大傑作である!!
映画のメイン舞台である板門店および周辺のオープンセットは16,530m2の広大な敷地にそっくりそのまま再現され、撮影後も観光名所として現状保存、海外メディアからの取材も数多い。監督・共同脚本は長編3本目となるパク・チャヌク。緻密に計算された脚本、洗練された画面構成力、南北双方の内実に迫ったキャラクター造形など、本作1本で傑出した才能を存分に見せつけた。北朝鮮の士官を演じるのは『シュリ』『クワイエット・ファミリー』等でその存在感溢れる演技が記憶に残るソン・ガンホ。かつてなく人間味に満ちた北側のキャラクターを説得力をもって演じ切っている。対する韓国側の兵長には、イ・ビョンホン。甘いマスクゆえ人気が先行しがちだったが、本作では生き残った者の苦悩を見事に表現し役者としての評価を確立、名実ともに若手スターの一人に名を連ねた。さらに事件解決の鍵を握る調査官役にイ・ヨンエ。実に4年ぶりの映画出演となる本作では冷静な分析力で真相を究明する人物像を巧みに演じるが、何よりその突出した美貌に日本でも注目が集まることは間違いない。また撮影監督に『シュリ』のキム・ソンボクを迎えたことでカメラワークは縦横無尽の自由度を獲得、銃撃戦のシーンでは立体的な音響効果と相まって抜群の臨場感を引き出している。挿入歌には“韓国の尾崎豊”と称されるキム・グァンソクの「二等兵の手紙」「宛のない手紙」が使用され、涙腺を刺激せずにはおかない。『JSA』は、「今、そこにある現実」を豊かな想像力と完璧な技術で作り上げた、映画表現の最前線に立つ一本なのだ。
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