ハリー・ポッター役を探して
2000年の3月までには、クリス・コロンバス監督とデビッド・ヘイマン(製作)は映画の製作準備段階にどっぷりつかっていた。しかし、世界中で愛される主役の魔法使いの少年のキャスティングは少しも進展していなかった。それまでヘイマンと『ハリー・ポッターと賢者の石』のキャスティング・ディレクターは1999年から、期待に胸をはずませた少年俳優のオーディションを次から次へとこなしていた。1000人以上の候補者と会い、キャスティングの応募を続けていたが、まだハリーにふさわしい少年俳優は見つかっていなかった。
「原作のハリーのようにいろいろな意味で、複雑な要素を兼ね備えた少年を見つけるのは本当に難しかった」とヘイマンは語る。「僕たちは、ハリー役には、何にでも驚き、好奇心を押さえられないような子供らしさを失わない少年で、同時にタフな人生を送って鍛えられている少年、人の悲しみや苦しみを理解できる少年、つまり子供の身体に大人の心を備えた少年を演じきれる俳優を捜していたんだ。自分の回りにいる大人たちに心を開き、寛大で、適切な判断が出来る少年。しかも決して優等生ではなく、それなりの欠点も持っている少年。彼が誰からも愛されるのは、完全じゃない、血肉を備えた人間であるからなんだ。どこにでもいる人なつっこさを備えた少年でありながら、常人では出来ない事が出来る。つまり普通の少年であるからこそ、僕たち全員が、魔法というものを信じられる、そんな少年がを探していたんだ」
コロンバスもこの果てしのない探索にありったけの力を注いだ。「僕たちは何百人というハリー・ポッター候補と会った。でも、誰もが納得できる少年俳優を見つけることが出来なかったんだ」と回想する。「最初のキャスティング・ディレクターは、しまいにはイライラが頂点に達して、両腕を空に振り上げると、“全くあなたたちの探してるのが何なのか、さっぱり分からないわ”と叫びまくっていた。その時だったんだ。何気なくオフィスの棚にあったダニエル・ラドクリフ主演の『デビッド・コパーフィールド』のビデオ・ジャケットを見ていて、ピンときたんだ。僕は棚からビデオを取り出すなり叫んだ。「ここにいた!
ハリー・ポッターがいたよ!」と。するとそのキャスティング・ディレクターは「前にも言ったでしょう。ダニエルはスケジュールが開かないし、彼の両親も息子さんがこの映画に出るのに興味を持ってないって」
そして、また果てしないキャスティングの旅は続けられた。おかしなことに、その2、3ヶ月後にヘイマンとこの映画の脚本のスティーブ・クローブスが、仕事を一時中断して、舞台でも見に行こうということになって、出かけると、そこでばったり顔見知りのエージェントであるアラン・ラドクリフに出会ったんだ。ヘイマンは、そのエージェントの隣に座っている少年を見て、雷に打たれたようなショックを覚えた。「アランと奥さんのマーシャが、舞台の幕間に息子のダニエルを我々に紹介してくれた。聖書の中の天啓を受けた瞬間そのもののように稲妻が光り、空が真っ二つに割れるような気持ちだったよ。そのせいで、それから後の舞台はまったく頭に入らなかった。ラドクリフ一家は舞台が終わるとすぐ帰ったらしく、僕は彼らとその場で話す機会を失ってしまった。だから翌朝アランに電話するまで一睡も出来なかったんだよ」
しかしヘイマンがアランに、彼のひとり息子のダニエルをハリー・ポッター役に欲しいんだと切り出すと、ラドクリフ一家は『ハリー・ポッターと賢者の石』のような大作に息子を主演させることに懸念を示してきた。「彼らが躊躇するのも無理ないと思った。こんな大きな映画に出演したら、ダニエルの人生が一変するのは明らかだからね」とヘイマンは語る。「それでも僕は何とかその日の午後、お茶を飲むだけという約束でダニエルと会うことになった。僕たちはそこで1時間半も話しこんだよ。彼は元気はつらつとして、熱意に満ちていて、本当に素晴らしい少年だった。僕は、この少年こそ僕らのハリーだ、と確信したよ」
「ラドクリフ一家から見ると、この映画が世界的にヒットする大作だということを十分に理解しているからこそ、子供の将来のために、こんな重大な決心を軽々しく出来ることではなかったんだろう」とコロンバスは語る。「僕たちは、どんなことをしても息子さんを守り抜くと約束した。僕たちには最初からハリー役にはダニエルしかないと分かっていたんだ。彼にはあの魔法使いの雰囲気があり、11歳の少年にしては珍しく内面の深みや暗さもあった。彼は、同じ年頃の少年にはない知恵や聡明さを備えていた。だから原作者のローリングに、ダニエルの写真を送ったときも、自分たちの決定が間違ってないと確信していた。ジョーの感想を読んで、僕たちは長い間離れ離れになっていた息子とようやくめぐりあえたような深い感動を覚えたよ」
11歳の少年俳優ダニエル・ラドクリフは、その何ヶ月前に学校の友人から、この映画の誰もが熱望する主役オーディションのことを聞かされていたが、自分からそのチャンスをしりぞけていた。「だって、何千、何百っていう少年俳優がその役のオーディションに行ってるんだ。僕なんか絶対落ちると思ってたんだ」とラドクリフはかわいらしく打ち明けてくれた。
何通りかのオーディション・フィルムを撮影し、運命的ともいえるスクリーン・テストを終えると、ダニエルは自分の人生を一変する電話を待つだけとなった。「僕がお風呂に入っていて、ママと話をしているとき、電話のベルがなったんだ。そしてパパが入ってきて、僕に決まったって伝えてくれた」とラドクリフは今でも信じられないという顔で語る。
「すんごく嬉しくて、叫びまくったよ!その夜僕は朝の2時に目がさめて、まだ寝ているパパとママをたたき起こして、本当の事なの?夢を見てるんじゃない?って何度も何度も聞いたんだ!
もう最高に興奮しちゃったからね」
三人組の仲間、ロンとハーマイオニーのキャスティング
クリス・コロンバスとデビッド・ヘイマンにとって、ハリー・ポッター役にベストな少年俳優を選び出すのがスタートだったが、同じくらい重要なのが、映画の中心となる子供達、つまり魔法使いの訓練生、ロンとハーマイオニーにぴったりな俳優を選びだすことだった。「勿論同時に他の役のキャスティングも開始していたが、ハリーを見つけるのがトライアングルの頂点で、彼が決まらないうちは他の配役を選んでも、意味のないことだった」とヘイマンは説明する。「主役が決定したんで、何人かの少年俳優をスクリーン・テストに呼んでみたけど、まずハリーを中心にした3人組みの選定が最も重要な事だという結論に達した」
「それからすぐさまルパート・グリントと恋に落ちたんだ」とコロンバスは言う。「ルパートは驚くほど人を笑わせるのが上手で、しかもそばにいるとなんだか気持ちがなごむんだ。エマ・ワトソンはハーマイオニー・グレンジャーの心とエッセンスそのものだった。ダニエルとルパートとエマの3人を一緒にしてスクリーン・テストをしたら、その相乗効果は素晴らしいもので、まるで3人で電気的反応を起こしているみたいだった。そこで僕たちは、パーフェクト・トリオが誕生したことを知ったんだ」
ルパート・グリントには学校の学芸会でお芝居をした他には演技の勉強をしていなかった。しかし自分で「僕は誰にも負けないハリー・ポッター、ファンだから」と主張して、何がなんでもロンの役が欲しいと熱望していた。「ロンはあの本の中で僕の一番気に入っている登場人物で、僕なら絶対彼と一体化できると思ったんだ」とグリントは語る。「僕には何人もの兄弟姉妹がいて、大家族の中で暮らすことがどんなことかを身を持って知っているし、おまけに僕もまだ“おこぼれを頂戴しているだけ”の身分でもあるからね」
グリントはBBCテレビの子供向けニュース・ショーを見ている時に、ハリー・ポッターの親友であるロン・ウィーズリー役のオーディションのことを知った。「僕がニュースラウンドって番組を見ていたら、ハリー・ポッターの映画に出るためのオーディション情報が流れたんだ」とグリントが回想する。「だから言われた通りに応募用紙と写真を送った。でもそれから一ヶ月たっても何の返事もなかったんだ。それからニュースラウンドのウェブサイトを探したら、1人の男の子が自分で映画のセリフを言うのをビデオに撮って送ったっていう話が出ていて、そこで僕も自分でビデオをとって送ったんだ。そしたらオーディションの通知が来たんだよ!」
エマ・ワトソンにとっては、このハーマイオニー・グレンジャー役を演じることは、学芸会で、演技、ダンス、声楽の成果を披露することでもあった。「この原作を読んだとき、ハーマイオニーはすごく演じがいのある女の子だと思っていたの」とワトソンは言う。「でもこの役を得るまでには、沢山のオーディションをくぐり抜けなければならなかった。とっても大変だったわ。それから何日かして、私とルパートがデイビッド・ヘイマンのオフィスに呼び出されて、二人に決まったよってあっさりいい渡されたの。最初はその言葉を聞いてもなんだか分らなくて、私ったら馬鹿みたいにポカンとしてその場に5分間も立ち尽くして目の前に並ぶ大人たちを見つめていたのよ」
ワトソンは自分と自分が演じるハーマイオニー役との共通点と、違いをきっぱりと説明してくれた。「ハーマイオニーと違って、私は一度もクラスに一番になったことがないわ。本当のことをいえばまったく逆なの!それにいつも弟にああしろ、こうしろと命令するいけない姉さんだしね。弟はいつも私に困らされているみたいよ」
その他大勢の魔法使いと、ひとりの巨人のキャスティング
ハリー、ロン、ハーマイオニー役の少年俳優を探すたゆまぬ努力と平行して、大人役のキャスティングも決しておろそかに出来ない仕事だった。「僕たちは原作者のローリングに、どの俳優がどの役にふさわしいか常に意見を求めて、彼女の助言に従ったんだ」とヘイマンは証言する。「たとえばハグリッド役に彼女が最初に指名したのがロビー・コルトレーンだった。そしてロビーが最初に決定した大人役の俳優となった」
「ローリングは他のキャスティングに関しても、様々な意見を伝えてくれて、僕も全く同じ意見が、本を読んでいる間に思いついていた」とコロンバスは語る。「僕は自分自身で、ドリーム・キャストとも言うべき、ベストのキャスティング・リストを書き上げてみた。そしてそれぞれの俳優に打診していったら、全員からイエスの返事が出たんだ。こんなことは今までの映画で絶対になかったことだった。この映画のキャストはこれまで僕が手がけた映画の中でも最高のキャストだと思うよ」
ロビー・コルトレーンは、みかけこそいかついが、心底優しい巨人のハグリッドを演じるのに全く異存がなかった。「もしこの役を引き受けなかったら、息子に殺されたろうね。だからこの役を演じる他なかったんだ」
コルトレーンはハグリッドを「ちょっと社会的順応技術に欠けた男だ」と説明する。「一生に一度もゴルフ会員に勧誘されたりされない男だけど、ドラゴンとかいったものに心ひかれる気のいい男でもあるんだ。何物をも恐れない勇敢な心を持っていて、普通の人たちが怖がる野生動物なんかがものすごく好きな奴なんだ。なにしろ巨体の持ち主で、普通の映画だと悪役タイプなんだけど、この映画の彼はものすごくやさしくて、親鳥が小鳥をかばうように、子供たちを自分の羽根の下にかばって守っているんだよ」
監督であるクリス・コロンバスのようにホグワーツ魔法魔術学校の、物知り校長ダンブルドアを演じるリチャード・ハリスは、最愛の孫から「ハリー・ポッター」の世界を紹介されたひとりでもある。「実は役をオファーされたとき、色々な理由から引き受けるのは止めようと決心していたんだ。」とハリスは回想する。「そうしたら11歳の孫娘のエリーが電話をかけてきて、あっさり言われれたんだよ。“おじいちゃん、もしおじいちゃんがダンブルドアの役を引き受けなかったら、これから一生口を聞いてやらないからね!”ってね。だから、この件に関しては他に選択肢が見つからなかったんだ」
しかしながら、ダンブルドア役はハリスがそれまでに演じてきたどの役よりも難しかった。「本の中のどこにでもダンブルドアのエッセンスが詰まっていて、たとえ彼が実際に姿を見せなくても、とても重要な位置を占める役で、しかも、この役を演じる為には、とても美しく書かれた台詞を語るのにふさわしいパーフェクトなリズムとテンポをみつけなければならなかった」
ハリスは魔法にかかったようなキャスティング段階のある一日を思い出して、しのび笑いをはじめた。「クリス・コロンバスが私に若い俳優たちを紹介したいというので、スタジオに出かけ、彼らと台詞の読み合わせをすることになった。そこで私がなんとか自分の台詞を読み終わった途端、ロン・ウィーズリー役のルパート・グリントが私を見て言ったんだ。“ミスター・ハリス。今の読み方はすごく良かったですね。貴方はきっとこの役を素晴らしく演じられると思いますよ”ってね」
アラン・リックマンもまた、魔法薬のスネイプ先生を演じるにあたり、若いハリー・ポッター信者からのプレッシャーに耐えなければならなかった。「僕自身何人もの甥がいたし、友人の子供たちとも仲が良かったんだ」とリックマンは言う。「彼らは僕がこの役を演じるのにそれほど感心もしていないし、どうしてもやれと強制はしなかった」
リックマンは役が決まって台本を読み始めるまで、原作そのものを読んだことがなかった。そして原作を読んだ後、たちまち、この本が持つ普遍的な魅力にひきいれられていった。「この本はストーリーテリングの真髄をそのまま踏襲している偉大な小説や戯曲と同じ要素を備えているんだ」と彼は認める。「最初のページから本の魅力にはまり、ページをめくる毎に、登場人物に感情移入してゆき、次に何がおこるかはらはらして読むのを止められなくなるんだ。とてもシンプルなルールに従っているんだけど、それを成し遂げるには偉大な才能を必要とするんだよ」
デイムの称号を持つマギー・スミスは、この映画のマクゴナガル先生役をオファーされる前に、『ハリー・ポッターと賢者の石』を既に読み終わっていた。「この本は子供相手に書かれた本としては最高のものだわ」とスミスは語る。「だから、この素晴らしい本のエッセンスをどうしたらスクリーンに移し変えられるのか、とても興味があったの。一般の人はあまり分らないかもしらないけど、こういう仕事はなかなかあるもんじゃないのよ。このストーリーは読む人全てのイマジネーションに訴えているでしょ。大体、素敵な洋服を着た魔法使いに出会う確率なんて、あなたの人生でどの位あると思う?」
マギー・スミスにとって、この『ハリー・ポッターと賢者の石』に出演することは、『デビット・コパーフィールド』で共演したダニエル・ラドクリフと再び共演出来る素晴らしいチャンスでもあった。「あの子がハリーの役に選ばれたと聞いて、とても興奮したわ」とスミスは言う。「彼は本当に特別な資質を持っている俳優なの。とにかく、この映画に出演する全ての年若い俳優さんたちはみんな驚く程エネルギッシュだったわ。それに、この映画は製作にかかわる全員の心に子供の心を呼び起こす様な映画だったわ。特にクリス・コロンバスにはね。彼は素晴らしい監督で、とっても辛抱づよかったし、常にありったけの情熱を注いでこの映画を作りあげていったのよ」
製作陣はまた、アラン・リックマン扮するスネイプ先生のライバルといえる設定で、闇の魔術からの防衛術を教えるクィレル先生役に、ベテラン俳優のイアン・ハートを配することに決定した。「この本はすべての偉大な神話に通じる要素を備えている」とハートは語る。彼もまたこの本の持つ世界共通のテーマに心をひかれていた。「ここにある善と悪との対立、家族の死に対する復讐などの要素は、時代を超えて語りつがれているテーマなんだ。ただこの本の素晴らしいところは、これら全ての要素が第一級のユーモアをまじえて語られていることだ。映画には勿論シリアスな要素も沢山盛り込まれているが、笑える所も沢山あって誰もが楽しめるものになっているんだよ」
普通の人間ダーズリー家のキャスティング
『ハリー・ポッターと賢者の石』は、他の多くのおとぎ話と同様に主人公が意地悪な継母と対立するという話が中心になっている。『ハリー・ポッターと賢者の石』場合継母に当たるのが、ペチュニアだ。この重要な配役に、スタッフ陣は英国で最も実力があり尊敬されている舞台女優のフィオナ・ショーを起用することに決めた。「本当は魔法使いのひとりを演じたかったの。でもしばらくしてダーズリー家が属する世界の方が、ハリーが経験する世界よりもより、恐ろしいものだということが分ったの。特にハリーが彼らを見捨てて立ち去った時、一家はこのことに気づくことになるのよ」とショーは説明する。「特に普通の人でいようと固執することに関しては、ダーズリー夫婦はとてもエキセントリックなカップルといえるの。このふたりの前に、ハリーの非常に優しく、品が良く、しつけがいきとどき、生まれながらの騎士といった性格を見せられると、いやでも自分たちが息子の教育に失敗したという現実をはっきり目の前につきつけられていることになるのね。ダドリーはどうしようもなく甘やかされ、救いようのない駄目息子に育った訳だから。ダーズリー家は、実の息子のダドリーがハリーのようではないことで、自分たちの上品ぶった趣味や、上流になりたいといった熱意をそがれ、絶望的なまでの失望感に打ちのめされていくの」
ショーにとって、欠点だらけの意地悪な叔母ペチュニアを演じるのはとても楽しい経験だった。「演じる役柄が実際にどういう人物で、彼女自身が考えている人間像と実際の人間像とのギャップが大きいほどコメディ要素が大きくなるものなの」とショーは説明する。「ダーズリー家は豪壮な邸宅に住んでいると思い込みたがっているけど、実際はとても小さな家に住んでる訳なの。とにかく馬鹿馬鹿しいほど必死で普通に見せようと務めているんだけど、ハリーの目からみれば彼らの普通でありたいと必死にあがく姿がかえって異常に見えてくるのね」
リチャード・グリフィスが、ハリーの心配性の叔父バーノンを演じる。ショーと同様グリフィスもまた自分の役柄が普通でいようと必死に努力する滑稽な人間であることを認めている。「バーノンはハリーを全く信用していず、ハリーが何かあやしいことを自分たちにするんじゃないかと、常におびえているんだ」とグリフィスは言う。「それがハリーの最大の恐怖なんだ。つまり近所にあの一家はどこかヘンなんじゃないかと思われるのが何よりつらい事なんだよ。彼の中にどこか普通と違った所があると他人に思われるのが死ぬほど怖いんだ。ダーズリー家は、自分たちが常に平均的で、ノーマルな家族でありたいと思っていて、しかも、決して普通の人にはなれないハリー・ポッターの世話をしなければならないんだからね」
ダーズリー家のひとり息子で、四六時中不平不満をぶちまける、甘やかされた駄目息子のダドリーを演じるのは、一度見たら忘れられない印象を残す少年俳優ハリー・メリングである。「メリングが自分が演じる全ての場面で、自分の果たすべき役割完全に理解し、時には茶目っ気たっぷりに演じたり、役柄に新しい工夫を凝らしたり、持ち前の空想力を駆使して役を作り上げていくやり方は、本当に驚異的だったわ」とフィオナ・ショーは感嘆する。
「ダドリーみたいな役を演じるのはとっても楽しいんだ。だって彼はある瞬間悲しいと思ったかと思うと、次の瞬間にはハッピーになったり不平たらたらになったりと予測がつかない動きをするからね」とベテラン俳優のフィオナ・ショーや、リチャード・グリフィス、それにダニエル・ラドクリフと一緒に仕事が出来ることを心から楽しんでいる12歳の少年俳優は言う。
勿論ひとつだけ心配なことがある。「こんな憎まれ役を演じたら見た人が僕のことを何と思うかちょっと心配なんだ。でもこの映画が早く完成して、映画館で見られる日が待ち遠しいよ」
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