アトランティスのこころ (原題)HEARTS IN ATLANTIS
2002年5月18日公開
上映時間1時間41分
2001/アメリカ/ワーナー・ブラザース映画
「グリーンマイル」のスティーブン・キング
「シャイン」のスコット・ヒックスでおくる奇跡の感動作。
原作者・監督・主演について
●スティーブン・キング(原作)
1999年に発売されて以来、その感動がさざ波のように全米に広がり、2001年までに400万部を超えた大ベストセラー小説「アトランティスのこころ」。一時は爆発的に売れても短期間で消えゆくベストセラーが多い中で、この作品は例外的な息の長さで現在も売れ続けている。
映画制作会社キャッスル・ロック・エンターテイメントは、この本が出版されてすぐに、映画化権を取得した。同社は、過去にキングと協力して『スタンド・バイ・ミー』『ミザリー』『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』と一連の人気作品を着実にヒットさせてきた実績を持つ。また、『ミザリー』の脚本で絶賛され、アカデミー脚色賞を2度受賞しているウィリアム・ゴールドマンも、この小説を読んだ直後に脚本の契約を交わした。「とても感動した」と、現在、キングのベストセラーとなったSF小説『Dreamcatcher』の脚色を手がけているゴールドマンは言う。「本物のモンスターではなく、人間のモンスターを描いたキングの小説が一番好きだ。「アトランティスのこころ」で一番感動したのは、ボビー、キャロル、テッド、そして彼らが人生を乗り切ろうとしてやったすべてだね。本当に感動的に、美しく話が進んで行く。キングは本当に聡明な物語の伝え手だ」
1947年、アメリカ・メイン州に生まれ、12歳の頃から作家を志したスティーブン・キングは、「キャリー」でデビュー以後、精力的に傑作・大作を発表し、“キング・オブ・モダン・ホラー”と呼ばれるに至る。1985年にはキング作品が4作同時にベストセラー入りを果たすという出版史上空前の現象を起こし、いまや名実ともに全米一のベストセラー作家となった。1976年、ブライアン・デ・パルマ監督の「キャリー」以来、いまや大半の作品が映画化/映像化されており、この作家と映画とは切っても切れない縁と言えるだろう。おもな映画を挙げただけでも、『クリープショー』(監督:ジョージ・A・ロメロ/82)『クリスティーン』(監督:ジョン・カーペンター/83)『デッドゾーン』(監督:デヴィッド・クローネンバーグ/83)『シャイニング』(監督:スタンリー・キューブリック/80)『スタンド・バイ・ミー』(監督:ロブ・ライナー/86)『ミザリー』(監督:ロブ・ライナー/90)『ショーシャンクの空に』(監督:フランク・ダラボン/94)『グリーンマイル』(監督:フランク・ダラボン/99)と、監督のネームバリュー・作品のクォリティ・そして興行成績ともに、そうそうたる作品が並ぶ。
小説「アトランティスのこころ」は、日本でも今年4月23日に、新潮社からハードカバー・文庫が同時発売。4つの中編小説と1つの短編からなる作品集で、その中の「Low
Men In Yellow Coats」と「Heavenly Shades of Night are Falling」という2つのストーリーからこの映画は生まれた。
●スコット・ヒックス(監督)
あのスティーブン・スピルバーグが「10年に1度の傑作!」と絶賛した『シャイン』(96)で作品賞、監督賞を含むアカデミー賞主要7部門にノミネートされたスコット・ヒックスは、本作で念願のスティーブン・キング作品を手がけることとなっ
た。
「スティーブン・キングは、誰もがひきつけられる物語を書いた」とヒックスは言う。「われわれの仕事は、最適な方法で物語を映像にしていくことだが、その前に、
物語自体が私に話しかけてきた。ボビーとテッド、そして母親のリズとの関係、ボビーの少年時代の友達との関係にとても心惹かれた。こうしたストーリーを別のメディアで語る場合、映画には映画なりの命が必要であり、“映画の物語”として表現
しなければならないと思う。それを『アトランティスのこころ』でも実現させようと努力した。コアとなるのは、スティーブン・キングが築き上げた人間関係。とてもパーソナルで、密度の濃いものだ。読者は、キング自身の少年時代の経験が、この特
筆に価する物語に生かされていると感じると思う」
さらにヒックスは、この物語のドラマ性についてこう語っている。「この物語は、少年が人生において、世の中にはより大きく暗い現実が待っているのだと気づく瞬間を捉えている。それはボビーにとって、いろいろな意味で子供としての最後の夏だった。彼には、起こりうる出来事を止める力などない。しかしその出来事は、経験した者に、その先の人生に何が待っているかのヒントを与えてくれるものなんだ」
スコット・ヒックスは、1953年生まれ。東アフリカで生まれ育ち、オーストラリアのフリンダース大学で1975年に学士号を取得。1997年には同大学より名誉博士号を授与された。興行成績が全世界で一億ドル以上となった『シャイン』はアカデミー賞の主要7部門にノミネートされ、ジェフリー・ラッシュが主演男優賞を獲得。ヒックス自身も、監督賞およびオリジナル脚色賞にノミネートされている。英国アカデミー賞では8部門にノミネートされ、ジェフリー・ラッシュが主演男優賞を獲得。音響賞も獲得した。さらに、1996年のオーストラリア映画協会賞で9部門獲得。その中には、作品賞と監督賞が含まれている。『シャイン』のその他の受賞としては、1996年度ナショナル・ボード・オブ・レビューの作品賞、ジェフリー・ラッシュの主演男優賞受賞を含む、ゴールデン・グローブ賞での5部門のノミネーション、アメリカ監督協会の監督賞のノミネーション、さらにアメリカ脚本家協会賞のノミネーションなどがある。
ヒックスは映画監督としてデビューする以前、多くのすぐれたTVドキュメンタリー作品を送り出している。1994年、4時間のドキュメンタリー・シリーズ「Submarines:Sharks
of Steel」を監督して共同脚本も手掛け、エミー賞を獲得。中国解放軍の詳細なドキュメンタリーである「The Great Wall of Iron」(1989年)は
ピーボディ賞を獲得した。脚本、監督を兼務した劇場用映画『Sebastian and the
Sparrow』は、1990年のフランクフルトのルーカス賞を含む、3つの子供国際映画祭で賞を獲得。1999年にはイーサン・ホーク、工藤夕貴主演の『ヒマラヤ杉に降る雪』を監督。デビッド・グターソンのベストセラー小説を原作に、ロン・バスと脚本を共同執筆したこの作品はアカデミー撮影賞にノミネートされた。
●アンソニー・ホプキンス(テッド・ブロ−ティガン)
ある日突然、少年の人生に姿を現す謎めいた老人テッド。そこから、この奇跡のストーリーは始まる。父親のいない11歳の少年と不思議な友情で結ばれ、彼の人生を永遠に変えることになるテッドを演じるのは、『羊たちの沈黙』でアカデミー賞主演男優賞を獲得、数々の名作に出演している名優アンソニー・ホプキンスだ。
製作陣がテッド役の第一候補にアンソニー・ホプキンスをと考えていたちょうどその頃、ホプキンスは、本作の脚本家で著名な作家でもあるウィリアム・ゴールドマンの最新ノン・フィクション「Which
Lie Did I Tell?」を『ハンニバル』のロケ地、フィレンツェで読んでいた。「キャシー・ベイツと『ミザリー』の話をしていてね。スティーブン・キングの映画化作品をやるのも悪くないと考えていた。それから3、4日後、フィレンツェにやってきたエージェントが、『読んでもらいたい本と、ウィリアム・ゴールドマンが書いた脚本があるんだ。「アトランティスのこころ」っていうスティーブン・キングの作品だよ』って言ったんだ。「幸先がいいぞ」と思ったね。この作品は優しい小品で大作ではない。私はそこが気に入ったんだ。
ホプキンスは、自分の過去を振り返るだけでテッドの役作りができた。「テッド・ブローティガンは、母方の祖父を思い出させる」と彼は言う。「子供の頃、祖父とはとても親しかった。彼は、決定的な影響を私の人生に与えた。自分に自信がなかった私に、いくばくかの勇気と希望をくれた。ずっと私を励ましてくれた祖父の存在が、少年にとってのテッド・ブローティガンの存在なんだ。