(物語)
どうしても学校に行けずに不登校を続ける中学三年生の川島大介(金井勇太)は、両親に内緒で初めてのひとり旅に出る。横浜郊外のインターチェンジからヒッチハイクで九州の屋久島にある、樹齢七千年を越えると言われる縄文杉を目指して出発した。
しかし、旅のはじまりは散々だった。ようやく小型トラックに乗せてもらったが、運転手の児玉(笹野高史)から説教を受け、ついには口論となり降ろされてしまう。サービスエリアで途方に暮れていた大介は、大型トラックの運転手・佐々木康(赤井英和)と出会う。佐々木は同乗者の宮本(梅垣義明)とともに大阪へ向かう途中だった。
はじめは緊張していた大介であったが、彼らの気さくなやりとりを見て自然と打ち解けていく。そして彼らとのふれあいの中で、“世の中の厳しさ”や“命の大切さ”を痛感させられた。
大阪に着いた大介は、九州まで行く女性ドライバー・大庭すみれ(麻実れい)の長距離トラックに乗り換える。すみれは大介に「なぜ学校に行かないのか?」としきりに尋ねた。彼女は女手ひとつで一男一女を養っている母親でもあった。そんな彼女との会話を通して、大介は“家族の絆”について考えさせられた。一方、旅に出た大介のことが心配でならない母・彩子(秋野暢子)、父・秀雄(小林稔待)は、中学校の担任、黒井先生(中村梅雀)に相談したりと奔走していた。
宮崎に到着し仕事を終えたすみれは大介を自宅に迎え入れた。息子の登(大沢龍太郎)は無口な少年で、彼の部屋はジグソーパズルと時代小説が一杯に埋め尽くされており、異様な雰囲気を漂わせていた。しかし何故だか二人でいると気持ちが落ち着き、大介は夜遅くまで登に色々なことを語りかけた。あくる日、別れ際に大介は登からジグソーパズルを貰う。その裏面には自作の「詩」が小さな文字で書かれていた。鹿児島港まで送ってもらう車中、大介はすみれに昨夜の登とのことを話した。頷きながら話を聞いているすみれだったが、大介が登の「詩」を朗読し始めると、突然車を停め、ハンカチで顔を覆った。「あの子、そげなこと考えとったの。おばさん、ちっとも気づかんかった。」ありがとう…とすみれは大介の肩をきつく抱きしめた。
屋久島へたどり着いた大介は、島で出会った登山客・金井真知子(高田聖子)とともに縄文杉までの登山に挑む。険しく厳しい山道を真知子に励まされながら一歩一歩進む大介。ついに目前に勇姿をみせた縄文杉。その荘厳な縄文杉は大介の心に何かを語りかけてくれた。
真知子と別れ、一人山を降りる大介は悪天候で道に迷い遭難しそうになる。泥んこになりながらも何とか山から下りた大介は、ひとり暮らしの老人・畑鉄男(丹波哲郎)に声をかけられ、鉄男の家に泊まることになる。
翌朝、世話になった鉄男に礼を言い、家を出ようとした大介だが、鉄男の具合が突然悪くなり、ほうっておけずに看病にあたるはめになる……。