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ぼくの神さま
(原題)EDGES OF THE LORD

2002年3月2日公開
上映時間98分
2001/米国/ギャガ・コミュニケーションズ

<プロダクションノート>
生まれるべくして生まれた、珠玉のストーリー
『ぼくの神さま』は、ナチス占領下のポーランドを舞台に、天才子役ハーレイ・ジョエル・オスメントが、カトリック教徒に偽装してホロコーストを生き延びた11歳のユダヤ人少年を演じる感動作である。
この作品の監督で、脚本も担当したユレク・ボガエヴィッチは語る。

「私の目的は、第二次世界大戦中のポーランドを舞台にして、子供達が主人公の物語を描くことだった。私が生まれた国へ立ち戻り、幼い頃の記憶を呼び起こし、そこからこの脚本を作ろうと思ったんだ。そのプロセスを振り返ると、まさにユング心理学的なアプローチだったと思う。パズルのピースを少しずつ集め、1枚の大きな絵を描写していくようなものだった」と。
ボガエヴィッチはポーランド生まれ。父が音楽家で、25年前にアメリカ合衆国に一家で移住している。「これは、ポーランド人が英語で脚本を書き、アメリカ人俳優が演じ、ポーランドで撮影された初めての映画だ。ひどくノンポリな私にとってこれは、今まで隠されて来た痛々しい祖国の過去と向き合う作品なんだよ」と。この映画の撮影は、2000年5月1日、新緑が美しいポーランドでスタートした。映画化が実現するまでにはなんと3年の歳月を要したという。「私は合衆国へ移住して25年になるが、最近になってようやく、自分のルーツについて深く考え始めた。
私は第二次世界大戦後にポーランドに生まれたが、周りにいる大人達は、過去に何があったかはっきりとは話そうとしなかった。私の両親も、彼らの友人達も、その社会全体が過去の体験を隠そうとするのが私には不可解で仕方なかった。私が生まれたあの国では、ほんの10年前に、何百万人ものユダヤ系ポーランド人が殺害されたんだ。しかし私は、その話に触れる会話を一度も耳にしていないことに気づいた。ポーランドでは、ユダヤ人に関する話は戸惑いであり恥なんだよ」。
ボガエヴィッチは本作で初めて、自分の脚本で映画を作った。脚本を書いて監督するのは彼の長年の夢だった。
「私はこの脚本をゼブ・ブラウン、フィリップ・クラップと共に、ブラウン・エンタテインメント・グループのオフィスで練り上げ書き上げた。どのシーンも声に出し読み上げた上で、彼らと討論し吟味して創り上げた。我々はひとつの作品が少しずつ形作られて行く興奮を共有したんだ。何度も、その場に登場人物達がいるような気持ちを味わった。登場人物達の行動や人格がこの物語から我々の日常生活へにじみ出たような感じだったよ。我々3人はさまざまな苦労と喜びの末、やっとポーランドでの撮影にこぎつけたんだ」と。
ボガエヴィッチは続ける、「この映画の登場人物を練り上げ、場所を設定し、さまざまな人間関係を決定する一方で、私は徹底的な調査を行い、当時の子供達の日記や思い出を綴った書類を読んだ。そのうちポーランドで政治上の雪解けがあり、新しい資料が公開されたことで、ポーランドの過去に関するいくつかのヒロイックな物語とともに、多くの恥ずかしい出来事を発見したんだ。そこで、自分が書いていた物語の主旋律に、そうした現実に起きた出来事を織り交ぜた。最終的にできあがった脚本は、無邪気な子供達が徐々に大人になって行く物語となった」。
 こうしたボガエヴィッチの調査が、この物語に確かなリアリティを与え、作りものでない感動を生み出した。


主役のロメック少年を演じるハーレイ・ジョエル・オスメントの感動的な演技、そして他の子供たちとの素晴らしいアンサンブルが、この作品に一層の切なさを与えている。
特筆すべきは、トロ役を演じたリアム・ヘスの演技だろう。彼こそが、この作品のストーリーの要となる人物だ。一歩間違えれば狂気の側へと踏み越えかねないほどの無垢さを見事に演じ切ったリアムは、まだ8歳。ラストシーンの彼の表情を見るためだけでも、劇場に足を運ぶ価値があるというものだ。
さらに「この映画作りは実に爽快な体験だった。撮影を始める前に、我々は2週間にわたって子供達とワークショップを持った。子供達にこの物語のテーマを教え、彼らが演じるキャラクターの意味を教え、役作りする上でのあらゆる障害を取り除こうとしたんだ。ほかの出演者達のキャスティングも非常にうまく進んだ。我々は多くの俳優達を何度も集めては役を即興で演じてもらい、調和の取れたアンサンブルができるようしたよ」とボガエヴィッチは言う。
またフィリップ・クラップ(製作)は、『ぼくの神さま』の映画化が実現するまでの3年間、ゼブ・ブラウンがクラップとボガエヴィッチに言い続けていた言葉をこのように語った。「彼はいつもこう言ってたよ。"我々は、災厄から我々を遠ざけ究極の運命へいざなう導きの星の下に生きているに違いない"とね」。 
さらにブラウン(製作)は、「そもそも、ハーレイ・ジョエル・オスメントを我々のユダヤ人少年にキャスティングするなんてアイデアは、天国から舞い降りた天使以外の何ものでもないよ。神父役を誰にするか多少問題はあったものの、天使は再び我々に微笑み、ウィレム・デフォーをもたらしてくれた。そして、アヴィ・ラーナーが“イエス"という魔法の言葉を発して映画化が決定した時は、再び目の前に美しいビジョンが広がった。私達は、その言葉をあまりにも聞きなれていなかったから、翻訳が必要なほどだった!」と。
映画が完成した今、この作品に関わったすべての人々が自分たちの信念が正しかったことを確信し、努力が報われたことを喜んでいる。これは、これまでどんな映画人も作りえなかった、静かな衝撃作。多くの人の心にいつまでも残る名作と言えるだろう。
  
   
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