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ブロウ 
(原題)BLOW

2001年9月15日公開
上映時間123分
2001/米/ギャガ・ヒューマックス

(監督)デッド・デミ
(製作総指揮)ジョルジア・カサンデス 
(製作)テッド・デミ、デニス・レアリー、ジョエル・スティラーマン
(脚本)デヴィッド・マッケンナ、ニック・カサヴェテス
(撮影監督)エレン・クラス
(美術)マイケル・ハナン
(編集)ケヴィン・テント
(衣装)マーク・ブリッジス

(出演)
ジョニー・デップ
ペネロペ・クルス
ポール・ルーベンス
フランカ・ポテンテ
レイチェル・グリフィス
レイ・リオッタ
  
”夢を使い果たせ!” 
全米8週連続ベスト10入りの衝撃作がいよいよ日本上陸。
1960年代、カリフォルニア。1人の男の夢がそこにあった。彼の名は、ジョージ・ユング(ジョニー・デップ)。70年代にコカイン輸入ルートを独自に確立させ、最盛期にはアメリカのドラッグマーケットの80%を動かして、まさしく”アメリカ”を手に入れた男。夢を食べ尽くし、現代の海賊と言われた男の物語が、アメリカンドリームの真の意味を問う。

2001年春、全米に強烈な一撃が見舞われた。それは1970年代にアメリカ裏社会に君臨した伝説の男ジョージ・ユングの強烈な一発だった。全米8週連続TOP10入りを獲得した本作『ブロウ』を通して観客の魂を揺れ動かしたのである。
『ブロウ』は、『トラフィック』などとは異なり、ドラッグ戦争にまったく異なったアプローチを見せて観客を泣かせ、大ヒットを記録した。アメリカのディーラーとしては若くして伝説的な存在にのし上がったジョージ・ユングの驚くべき、しかし人間的な一代記を描く事で、監督テッド・デミは、ありがちな麻薬撲滅メッセージ映画、あるいは単にアクションの素材としてのコカイン密売ストーリーとはきれいに手を切って、夢や悲痛な愛のドラマを引き出した。


ブロウ(BLOW)とは、マリファナ、コカインなどドラッグ吸引を意味する俗語であり、人生の満開状態であり、また奈落への運命の一撃である。映画『ブロウ』はそれらの全てを生きた男のひたすら楽しかったシックスティーズのカリフォルニア時代から、恋の悲しい終わりへと進み、息子の帰還がつねにFBIに追われながらという事への実直な両親の戸惑い、刑務所仲間のビジネスの拡張し巨万の富を築く上昇期、仲間から略奪した魅力的な女性マーサとの熱い生活、自分が父親になったときの娘への想いなどが、ゆるやかにそして激しく語られていく。 最終的に人を癒すものはなにか?
観客は自分と親の関係、あるいは子供との関係のありようをついつい映画に見てしまう事になる。興味深いドラッグ・ディーリングの実態はその意味でまったく背景にすぎない。あらゆるアメリカン・ドリームの影にある夫婦愛、家族愛の不安感に目を向ける事………。

こうしたデミの意図が果たされるためには、ユングを演じたジョニー・デップのさりげない天才芸が必要だった。ジョージ・ユングそのひとのように、デップはユーモアをもって演じ、映画に不可欠な共感をもたらした。
ユングの妻マーサを演じたのは、目下ハリウッドで最もホットなスペイン出身の女優、ペネロペ・クルスだが、彼女のまさに旬な魅力は圧倒的だ。
デップ、クルス、がそれぞれ、『ショコラ』、『全ての美しい馬』の演技の色香をさらに倍化させての初共演が『ブロウ』第1の魅力である。
常に観客の心を正しい位置へと引き戻すべく機能しているのが、ユングの両親だが、特に息子の一定の理解をしめす父親に『ハンニバル』のレイ・リオッタ、厳しい目を向ける母親に『日陰のふたり』のレイチェル・グリフィスが扮する。
わき役人が実に個性的だが、特にシックスティーズのカリフォルニア徒花的匂いを見事に出したのが、かつてピ−ウィー・ハーマン事ポール・ルーベンスだ。彼の不思議な存在感に喝采したい。
ユングの少年時代にあたる1950年代から1980年代までの異なった時期のファッション再現にも注目が集まるだろう。
またアメリカのカルチャー気分の変遷をローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、レイナード・スキナード、そしてジャニス・ジョフリンの再来と言われるブレイク中の歌姫ニッカ・コスタの曲と歌声が彩っている。
『ブロウ』には真実だけだが持つ重さと輝き、そして感動が間違いなく存在する。それはコカインによって全米を支配した男ジョージ・ユングが放っているモノといっても過言ではないだろう。

(ロケ撮影)カリフォルニア州南部とメキシコでアメリカのさまざまな時代、さまざまな土地、あるいはコロンビアを再現して行われた。
(原作)ブルース・ポーターの『BLOW(ブロウ)』(山田 佳訳 アーティストハウス刊)はジョージ・ユングの麻薬ディーラーとしての半生の浮き沈みを克明に描くと同時に、ユングが駆け抜けた1960年代以降30年間のアメリカのカルチャー・ドキュメンタリーともなっていて、『イージー・ライダー』のピーター・フォンダのオートバイは、グル−チョ・マルクスの息子フレッドの所有していたもの、とか当時のレア情報まで拾ってくれている。読むとユングは若いときからなかなかの起業家魂の持ち主だった事がわかる。ただ方向性に問題があっただけだ。ポーターの原作を読み、デップがユングを演じる事に文句なく同意したのは、ユングがビートニクの聖典、ジャック・ケルアックの『路上』の圧倒的影響の下の青春を送った事実への共感だろう。話が持ち込まれたとき、デップはドキュメンタリー『ビートニク』でちょうどケルアックを朗読したばかりだった。ユングはジェファーソン・エアプレーンやボブ・ディランにも言及し、権威を嫌うあたりなかなかのスピリッツの持ち主であり、どこにも彼を嫌う理由が見つからない魅力的な一匹狼なのだ。ポーターはニューヨーク在住のジャーナリスト。
  

公開映画館 

オフィシャルWEBSITE
http://www.blow-jp.com/
 
  
   
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