来日記者会見(全文紹介)
(質問6)
デイビットはセックス・フレンドとの間に交わしたセックスが潜在意識の中によみがえってきますが、これはカジュアル・セックスを楽しむ若者に対する警告として捉えていいのでしょうか?
(キャメロン・クロウ監督)
今回東京に来て、皆様とお話が出来て非常に嬉しいです。と、申しますのは、この映画にはいろんな切り口があり、切り口によっていろんなことが見えてくるので、こういう機会が与えられて嬉しいです。
私はライターでもありまして、モラルのお説教をしているわけではありません。そういう結論を押し付ける気はありません。お客さんに一つの考えるきっかけとして一つの質問をしたかったんです。
つまり、カジュアル・セックスを言いますけど「カジュアル」はどの程度の「カジュアル」が「カジュアル」なのかということです。
「カジュアル」と言っている人たちの話を聞くと「カジュアルを装ってる」という場合が非常に多いです。
キャメロン・ディアスの女もカジュアルっぽい顔をしていますが、実際はそいういうことを演じているんです。
友達なんかに聞くと、カジュアル・セックスはどっちかが芝居をしていることが多いです。
この映画は、今みたいな事を友達や家族と話し合ってもらうための素材として、この映画を楽しんでほしいです。それは、この「バニラ・スカイ」を作った理由でもあります。ですから、我々はそういう面を原作にさらに加え、また原作で問い掛けた質問にも少し答えてあげようかなという映画です。
(トム・クルーズ)
この映画は二度目に御覧になると、いかに巧妙な手掛かりが残されているかということに気付かれると思います。それが、この映画の巧妙なところです。
例えば囚人になっているときに、警備員がいて、他の部屋でテレビで見ています。そこで観ている古い映画は何であるか。しれも、手掛かりです。最初は見過ごしても二回目は見て下さい。
音楽の選曲にも全部意味があります。Tシャツの文字にも意味があります。ということは、いろいろなことが隠されていて台詞の中にも一杯この物語の復籍となるものがあります。
二度観ても三度観ても新しい発見があります。ジグソーパズルの作り上げていくような映画です。
スリラーであり、ラブ・ストーリーになっていくという面白さがあります。
私自身も映画のファンとしてそういう頭を使う、巧妙な映画が大好きです。
観終わった後で友達と、ああじゃないこうじゃないと話せる映画です。
(質問7)
俳優さんからベストの演技を引き出すコツは何ですか?
また、新しい女優を上手に使われますが、演技観についてどう考えておられますか?
(キャメロン・クロウ監督)
ペネロペ・クリスを発見したという手柄は僕のものではりません。スペインでは彼女はすでに大女優です。彼女のハリウッドでの仕事に関しては、始まったばかりなので「フリ」はできますが(笑)
本当に色々な俳優さんと仕事をさせてもらっていますが、やはり気の合う人とだと楽しいです。私は、キャラクター作りを主眼とする俳優が好きです。つまり、自分じゃない別の人物を作り出してくれる俳優が好きです。でも、一番の根源はその人の中にあります。だから私たち監督は使う俳優のファンなんです。この素敵な俳優の中にまだ引き出せば何かあるんじゃないか、何か別のものを引き出そう、いつもそういう思い、姿勢で俳優さんと仕事をしています。
(質問8)
今回トムさんが演じられたデイビットはオリジナルに比べて観客が感情移入しやすいように感じたのですが、その辺の設定・解釈はキャメロン・クロウ監督とトム・クルーズさんの間でどのようにされましたか。
(キャメロン・クロウ監督)
トムがやったデイビットのが本当に恋をしていて、愛を必要としている男だという、切実にものが現れているからそう感じるのではないでしょうか。
(トム・クルーズ)
二つの映画を比べると、あくまでもこっち(「バニラ・スカイ」)はキャメロン・クロウ監督の映画なんです。
その、キャメロン・クロウ監督の映画のデイビットは最初の頃は自分の人生の中に空しさがあることに気が付かずに生活しているんです。でも、そのデイビットがソフィアに出会って本当の深い愛を知るわけです。
この映画が提示していることは、私たち人間は毎日毎日、何かの選択をしながら生きているわけです。でも、今日した決断がずっと先まで影響をもってくることに気が付きべきであり、今日何かすることは昔の決断の延長として自分があるわけで、自分のしたことがどれだけ長い間影響を与えるかということに気が付かせてくれる映画だと思います。
また、私は映画の中の「もしやり直そうと思えばいつでも人生はやり直せる」という台詞が大好きです。これはただのロマンチックな台詞ではなくて現実的な人生に根付いた台詞だと思いますし、非常に美しい台詞だと思います。
(質問9)
監督から御覧になった女優ペネロペ・クリスと俳優トム・クルーズさんの魅力を教えてください。
また、逆にペネロペ・クリスさんから見た監督としてのキャメロン・クロウ監督の魅力、俳優・プロデューサーとしてのトム・クルーズさんの魅力を教えてください。
(キャメロン・クロウ監督)
二人とも素晴らしい俳優です。
二人ともハートがある俳優なのでそこが素晴らしいです。
そして、私はライターなのでキャラクターのシナリオのを書いていて長い台詞を書いてリハーサルに入るわけです。しかし、カメラの前に立つと台詞はいらないんです。二人が見つめ合うだけで言葉が語る以上のものを語ってくれるんです。そうするともう文字はいりません。
その一つのいい例が、お葬式のシーンでペネロペ・クリスが入ってくる時に、台詞があるはずだったのですが、あの表情だけでデイビットとの思い出が表れているので、一言も喋っていません。
そのように「表情だけでいい」という素晴らしい俳優です。
トムの素晴らしい俳優というのは、例えば「エージェント」で一緒に仕事をしているわけですが、私の書く台詞をトムが読むときに、どこかリズム感があり、リアルに読むんです。書かれた台詞を読んでいる気がしないんです。本当に命のあるリズム感でシナリオを引き立ててくれます。「マグノリア」のポール・トーマス・アンダーソン監督も同じ事を言っています。トムが書いた台詞をリズム感でよくしてくれる、と。
(ペネロペ・クリス)
本当に監督は私にとってスペシャルな方です。人生観は素晴らしく、小さなものの美しさも見ていてそれを画面に載せるということ、また作家としては天才だと思います。
本当に素晴らしい映画になり、素晴らしい体験をすることができました。私はこの映画を作るプロセスをいかに学んだか、また監督の言葉からいかに学んだか、毎日毎日のいろんなことを提示され、それを宿題のようにもらってやることでどれだけ成長したかというインスピレーションの素晴らしさを私は一生忘れないです。最高の監督だと思います。
トムについては、私はトムの映画を全部観ているくらいにトムのファンです。もちろん彼の才能とかスター性には敬意を払っていました。
現実にお会いして、長い経歴があり映画作りの知識が豊富です。それなのにとても謙虚なのでびっくりしました。本当に尊敬の念をますます強くしたわけですが、彼のファンの一人としても今回の映画は彼の映画の中で最高作だと思います。
共演者として非常に寛大でいらっしゃり、プロデューサーとしてどこにあれだけのエネルギーがあるのかと思うくらいにいつもスタッフ全員が気持ちよく仕事が出来ているかを絶えず見ているエネルギーと時間を費やす素晴らしさに非常に敬意を評しました。非常に素晴らしい方だと思います。
(質問10)
この映画はキャストもスタッフも理想のメンバーが揃ったと評判ですが、今回のチームの印象について教えてください。
(トム・クルーズ)
私が映画が好きだというのは現場が一つの家族になっていくからなんです。プロデューサーとして力の限りを尽くして監督のビジョンが実現できるような環境作りをするためにはどんな努力も惜しまないという気持ちでプロデューサーとしての役目を果たしてきました。
その一貫として、スタッフを集めるということがあります。スタッフ集めに関しては、キャメロン・クロウと注意深く素晴らしい人々を集めようとする努力の結果として集まりました。このキャメロンの映画はお芝居の好きが集まってお芝居をやっているあの雰囲気があります。つまり全員が一つの企画に関わっている、みんなが何かを分担しているという充実感があります。自分の仕事にも映画自体にもエキサイトしています。
そういう経験が私が今まで映画の仕事をしていて一番好きな部分で、俳優として人間として醍醐味です。
また私は非常にハード・ワーカーです。映画を作るのは非常に大変です。だけれども、同じゴールを目指してみんなが一体となって突き進むというのはとても嬉しく楽しいです。監督の指揮官の素晴らしさを感じました。
ペネロペ・クリスは非常に才能のある素晴らしい女優で、一緒に楽しい仕事をさせていただきました。
(ペネロペ・クリス)
本当に素晴らしい雰囲気だったので私はそれがとても楽しかったです。
監督もプロデューサーもみんなに気を使って、仕事のしやすい環境作りをしてくれました。今回はみんなユーモアもあり、楽しい和気藹々とした現場でした。もちろん、ハードな仕事ではありましたが、雰囲気のいい仕事ができました。
(キャメロン・クロウ監督)
本当に素晴らしいチームでした。凄い経験があるのにフレッシュな感じでできたのがとてもよかったです。
現場でスタッフが「この場面は夢なの現実なの?」と話し合ったことがあります。観客の方にも「あれはどうなっているの?」と内容を考えていただけたら嬉しいです。
作った私たちもゲームの映画として捉えて作っていたので、観客の方にも楽しい、ゲームの映画として捉えていただきたいです。
とにかく観客の方に沢山考えてもらいたいです。
彼がビルから飛び降りて色んな昔のイメージが飛び交わすシーンは全部手掛かりです。
あそこも謎解きに関わっているので見逃さずに観てください。
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