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来日記者会見 モンスターズ・インク(Monsters, Inc.)

2002年2月13日 帝国ホテル

ピート・ドクター監督 (Director/Peter Docter)
リー・アンクリッチ共同監督 (Co-director/Lee Unkrich)
   
舞台挨拶は2ページでご紹介(前のページに写真6枚掲載)
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(写真をクリックすると拡大します)
記者会見場で紹介された「モンスター・インク」関連商品の数々。
(質問5)
パステル調を起用した理由と、工場に入り込む月明かりなどの自然界の描写に苦労した点などはありますか?

(ピート・ドクター監督)
映画を作っている中でのアート・ディレクションの一番の役割は無意識のうちに観客にそのシーンの感情を伝えることだと思っています。これは大まかに言えば証明と音楽でも出来ます。
そのような形で台詞で言わなくても観客がそのシーンを見て楽しいシーン、緊迫したシーン、怖いシーンだというのを感じ取ります。
色彩もそうです。今回、スタッフの中にドミニコ・ルイというフランス人のパステル調の絵を描くスタッフがいました。彼の描いた絵をコンピューター・アーティストたちに渡して映像を作っていきました。
それと、日の光、月の光というのもシーンの感情を出すのに大変重要になるので、そういったものも織り込みながら作っていきました。

(質問6)
この作品を通して現代の子どもと大人に何を伝えたかったですか?

(ピート・ドクター監督)
今回のこの映画の感情を与える根本的なものにサリーとブーの関係だと思います。
この映画のファンは子どもの親が多いです。どうしてだろうと考えたら、僕自身息子がいますが、この映画を作り始めた頃に息子は生まれました。
それまでの僕はいかに素晴らしい仕事ができるか、最善が尽くせるか、プロフェッショナルになれるのかということしか考えていませんでした。しかし、その暮らしの中に息子が生まれて今までの暮らしがひっくり返ってしまいました。
サリーもきっと同じだと思います。突然ブーが来て、どうしていいのか分からない。そこから友情が生まれるわけです。
それと、この映画のキャラクターの多くはモンスターです。モンスターであるからにはそこに恐怖を描かなければなりません。
もう一つのメッセージは「恐怖をいかに乗り越えるか」ということにあります。
その一つのツールとして笑いがあるということを伝えたいです。

(リー・アンクリッチ共同監督)
特に笑いによって恐怖を乗り越えるという考えは現代では色々な面で人間が恐怖心を持っていかなければならないけれど、恐怖は乗り越えることが出来、恐怖によって縛られることがないということを伝えたかったです。

(質問7)
お二人の役割分担と、総指揮のジョン・ラッカーさんからはどのような助言があったのでしょうか?

(ピート・ドクター監督)
この映画の企画が始まったのは「トイ・ストーリー」が終わり、次の「バグズ・ライフ」を始めるというところでした。
私たちはその時に、僕は「バグズ・ライフ」には関わらず同時進行でやっていこうということを決めました。
それでこの「モンスターズ・インク」を手掛けたわけですが、ずっとそれまで全部ジョンがやっていたので、ジョンと同じやり方を取りました。
そのやり方は、最初のコンセプトを僕が考え、それからキャラクターデザインなども全部僕が統括しました。
ですから、キャラクターデザイン、実際の声優への監督、進行状況、照明、キャラクターのモデル作りにまで関わりました。
この作品では約450名のスタッフが携わっているわけですが、それぞれの役割分担はとても小さく、他の人が何をしているかはほとんど知らずに自分に与えられた仕事をやっていきます。
ですから450のパズルのピースのような形です。それで、そのパズルのピースを繋げていくのが僕の役割です。つまり、統括ということです。そして、パズルを完成させるのが僕の役割です。

(リー・アンクリッチ共同監督)
ここにいるピートはとても才能豊ですが一人の人間ですから、出来る事は限られています。そこを補佐するのが共同監督としての僕の役割です。
僕はこの役割をバットマンを助けるロビンのつもりでいます。
実は僕はピクサーに入ってきた時はアニメの経験が全くなかったんです。
それまでフィルムスクールを出てから実写の映画作りに携わっていました。
ですから、僕が貢献できるのは実写で培った経験なんです。
言い換えると、編集、シネマティックデザイン、シーンのデザイン、作品ペース配分です。 そういったものを僕は担当しています。
そして、アニメの専門家と僕のような実写専門の者が合わさってよりクリアーな、アニメとは思えないような作品を作り上げました。
今回のジョンの役割ですが、ジョンは僕たちにとって素晴らしい師匠です。
ご存知のように彼は初めてCGのアニメ映画を撮った監督でもあり、常に僕たちを指導してくれています。ジョン自身もこれまでに過ちを犯したこともありますし、多くの功績も残してくれています。そのようなことから学ぶことができます。
常に彼は実際には監督をしていませんが私たちにアドバイスをくれました。

(ピート・ドクター監督)
五年間同じ作品に携わっているとなかなか客観的に見ることができなくなります。
(コップを手に取って)「これがコップだ」っていうのが分からなくなるぐらいに近くなりすぎてしまいます。そういった時に、ジョンがやってきて「これはこうじゃないのか」って貴重なアドバイスをくれます。
彼には一週間か二週間毎に報告をしまして、報告を聞いて随時アドバイスをくれまいした。

(質問8)
映画の中にいくつかの数字が出てきて、子どもがモンスターの世界に入ってきたときに「2319」とモンスターが叫んでいますがその数字の意味は何ですか?

(ピート・ドクター監督)
緊急事態を告げる暗号があるんです。
子どもが入ってきたときには「2319」というのが暗号コードになっています。
なんとなくそれっぽい番号だなと思ってつけました。意味はないです。
背中に靴下が入っていた時はまた別の番号になります。危険度によって違ってきます。
実際、子どもは危険度が高いです。

(司会者)
一番高い危険度はいくつですか?

(ピート・ドクター監督)
最近そのマニュアルを長い間見ていないので忘れちゃった。

(質問9)
「フォー・ザ・バード」というショート作品がありますが、台詞のない作品作りについて聞かせて下さい。

(リー・アンクリッチ共同監督)
「FOR THE BIRDS」を監督しているのは「トイ・ストーリー」の最初のアート・ディレクターです。
こういったショートフィルムは、昔はよく長編映画の前に上映されていました。
バックス・バニーなんかも昔はワーナー・ブラザーズの映画が上映される前に短編で上映されていましたし、ディズニーでも短編映画の上映はありました。
僕たちの世代はこういった短編の作品はテレビで見ていたわけですが、その一昔には映画館で上映されていました。
ジョン・ラセターもこういった短編を作って修業をしていましたし、ピクサーも一つの伝統と考えて守っていきたいという気持ちが強いです。
台詞がないということですが、ジョンが昔作っていた短編も台詞がなく、私たちは面白いジョークでお客さんを笑わせようとして、台詞に頼りがちですが、ちょっと時間をかけて工夫して考えれば台詞がなくても人々が楽しんでもらえる、台詞があるよりも楽しい市中エーションを描けると考えています。
今回は、こういった「FOR THE BIRDS」がみなさんに気に入っていただけて、ノミネーションされて、台詞がなくて十分楽しんでもらえるものが作れたという意味でもこの作品を誇りに思っています。

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