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(質問6)
監督のテーマの1つに親子の愛があり、マイノリティーや弱者への愛もあると思います。
今回の『A.I.』ではロボット、『E.T.』では宇宙人、シンドラーのリストではユダヤ人というテーマがあると思うのですが、それらはいつも意識していることなのでしょうか?
(スピルバーグ監督)
そういうテーマは自己的と言えるテーマかもしれません。私自身が少数派で、弱かったという過去を負っているわけです。私は子供の頃、年上の大きな人たちにいつもいじめを受けていました。そうい経験を持っています。
また、私の通った学校では、ユダヤ系の生徒は私と私の家族しかいないという環境で育てられました。
ですから、そういうものが自分の中にあります。
私は映画を作る時に、お客さんに信じてもらえる映画を作ることは、自分の感じた経験から作れば、お客さんにもそういう感慨を持ってもらうことができるのです。
私が魅力を感じる企画は、自分自身が経験した部分に触れてくるものです。それは、自分自身がそうだったからです。
(質問7)
天才と言われているハーレイ・ジョエル・オスメント君の演技はどうでしたか?
(スピルバーグ監督)
今日、11歳(映画を撮っていた当初)で、あのハーレイ君ほど演技が出来る少年は世界中にいないと思います。そして、彼の素晴らしい天分というのは、演じるに当たって役の感情を自分の感情にするという能力があることです。また、素晴らしいことは、それを抑えることを知っているといことです。
若い俳優はおうおうにして自分の持っているエネルギーを即座に発散しがちですが、彼はそれを抑える術を知っています。それが凄いです。
自分の中にある才能を2時間15分の映画の中に満遍なく散らす能力も持っています。いつ自分を開くべきか、また閉じるべきかを分かっている事が凄いです。
本当に若い俳優の中で突出していると思います。
(質問8)
『A.I.』に限らず、夢・愛・希望などがテーマになっていることが多いですが、現実には将来への不安を思わせる凶暴な事件が発生していますが、監督はこれからの人類がますます繁栄すると確信しているのか、或いは非常に人類が危険な状況にあると思っているのですか?また、これから人類に対して監督はどのようなことを警告として伝えていきたいと思っていますか?
(スピルバーグ監督)
大変難しい質問です。
私はいつも思うのですが人類は生物の主として大変素晴らしい能力を持っていると思うのですが、人類はどんどんと達成することに目をやられ、どういう結果がくるかを顧みない傾向があると思います。
ご承知のように、人間は破壊する能力を持っています。いいものを破壊するのが人間です。作ることと破滅の競争をいつもしています。その競争でどっちが勝つかが人間の将来に繋がってきます。
その結論は私の映画を観れば分かると思いますが、また信じているけれども、善が勝つと信じています。
(質問9)
夢がテーマであると同時に心の影も描いていましたが、人間は強いと思いますか、弱いと思いますか?
(スピルバーグ監督)
人間の心は天から与えられた物の中で一番貴重なものだと思います。
しかし、人間は破壊する能力があります。
人間は科学の面で非常に素晴らしい達成を行う能力もあります。
夢とか創造を追うばかりに、そちらが主になって、それに従うようになってはいけない。
神と競争することをいつもしていてはいけない。
人間と神の競争で、神を追い越そうとしてはいけないと思います。
・・・通訳が訳している間に、衛星中継のスクリーンにトム・クルーズが登場。監督の肩に手をかけたり、監督の隣で笑顔を振りまき、東京の会場にいる記者達は突然のスター登場に驚くやら喜ぶやら・・・
(質問10)
日本でのヒットに対して、どのような手ごたえを感じていますか?
(スピルバーグ監督)
とにかく日本は遠いので、もしそういう手ごたえがあれが、私の映画が世界に広まっていく希望につながると思います。
(質問11)
もし53歳の男性、30歳の女性、11歳の少年の『A.I.』が与えられたら、それぞれに何を託しますか? そのわけを教えて下さい。
(スピルバーグ監督)
この映画には色々なロボットが出てきます。一つ分かってもらいたいのはロボットはマシンですから、年をとったり成長したりしないので、あの社会では様々な年齢のロボットがそれぞれの目的に合わせてデザインされています。
53歳のロボットは知識や経験があるので学校の校長や医学のコンサルタントの仕事を。30歳の女性のロボットは、家事やベビーシッター、知的で魅力的な男性のパートナーになる役目をもっていると思います。11歳の少年は、子供がもてない夫婦のために作られます。
そういう社会が出来たときに、彼らは私たちに尽くすのだけど、それに対して受けた愛情を返す責任があるのではないかということを問い掛けています。
(司会者)
監督にお願いなのですが、日本にちょっとだけおいでになれませんか?
(スピルバーグ監督)
今、トム・クルーズと撮っている『マイノリティー・レポート』という次回作が完成した時、来年の夏ですが、トムと私が日本に参ります。
(司会者)
お約束?
(スピルバーグ監督)
イエス!
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